新年度が始まると、インターネットや情報誌等で受験校の情報収集を始めるご家庭も多いのではないでしょうか。
息子のラズくんには憧れの第一志望校に次いで、第二志望校が2校ありました。
この記事では、第一志望校をA校、第二志望校をB校、C校と表記させていただきます。
B校の偏差値は持ち偏差値マイナス10ポイントくらい、C校は適正偏差値くらいの学校でした。
どの学校にもそれぞれに魅力がありましたが、熱望したA校を除いたこの2校は特に序列がつけ難く、もしもA校が残念で、併願校2校とも合格をいただけた場合、どちらに進学するかは最後まで決められずにいました。
ラズくんの選択によっては、家庭内でかなり揉めるのではないかな、と私の中では一抹の不安があったものの、
ラズくんの入試日程が『幅広い偏差値帯の、本人が行きたいと思える中学校ばかりで固められた』のは、本当に「ラッキーだった」の一言に尽きました。
通える範囲に魅力的な中学校があり、その学校に出会えて、そして出願できた奇跡に今でもとても感謝しています。
今回はどのような経緯でこうした志望校が決まっていったのか、我が家の場合を時系列に沿ってご紹介させていただきます。
4年生時は『首都圏版 中学受験案内』で気になる学校をチェック
日能研に通い始めてから、近所の本屋さんでたまたま購入したのが「声の教育社さんの中学受験ガイド」でした。
ラズくんはこの本の中から、最初に決めた志望校、『理工系のB校』に興味を持ちます。
このような受験ガイドは様々な出版社から出ていますが、今回、この記事を書くにあたり他の同じような情報誌2冊と見比べてみたところ、声の教育社の中学受験案内の情報量が最も多かったです。
反面、電話帳のような紙質・白黒印刷でギッシリ書き込まれていますので、読みにくいという方もいらっしゃるかもしれません。
こうした受験案内は「中学校のカタログ本」です。
こんな学校があるんだなーと、気軽にパラパラと見比べることができるのがいい点です。
ラズくんの場合はプログラミングが好きだったので、「この学校、面白そうじゃない?」 なんて言いながら、プログラミングを入試に取り入れている学校や、STEAM教育に力を入れていそうな学校のページを見せては興味を引こうとしていましたが、最初の頃は全く関心を示していませんでした。
絶対に食いついてくるだろうな、と予想していただけに肩透かしにあったようで、自分が通うことになる中学校になぜ関心を持てないのかと、がっかりしました。
「どんな授業だろう?」とか、「どんな感じの学校かな〜」という反応が一言でも返ってくれば、「じゃあ説明会やオープンスクールに行ってみようか」とか発展していくのに……なんてもどかしく感じたりしましたが、今思えば、そんな絵に描いたようなやりとりは、私の勝手で都合のいい妄想でしかありませんでした。
まだ経験が乏しく幼いラズくんには、中学校という場所にはなかなか想像が追いつかなかったのでしょうし、「こういう学校に通ってみたい」と思うための、基準となる物差しもまだ持っていなかったのだと思います。
こうした流れの中で、ラズくんがB校を「この学校が気になる」と言い出した最初のきっかけは、こんな事ブログに書いていいものか(^_^;)と、躊躇ってしまうような、大人から見たら馬鹿馬鹿しく感じてしまうようなことでした。
きっかけは「携帯持ち込みOK」のマーク
ラズくんは、小さなの頃から「看板やマーク」が大好きで、「さがしてみよう!マークのえほん」という本を愛読し、どこへ行くにも常に持ち歩いている程でした。
そして声の教育社の「中学受験案内」には、「プールあり」「自習室あり」「外国人講師の授業あり」などの項目が、学校名の下に、一目で分かりやすくマークで一覧表示されていました。

受験案内本に全く興味を持っていなかったラズくんでしたが、ある日、本棚から取り出してパラパラとページを捲っていたことがありました。
それから数日経ってから、「この学校がいいかなあ」と、B校のページを開いて私に見せてきたのでした。
なぜその学校が良いと思ったのか訊ねると、「携帯を持ち込めるマークがあるから(電源offという条件つき)」と理由を言っていましたが、「携帯電話持ち込み不可」という学校のほうが少なかったと思うので、B校を選んだ決め手は、やはり理工系だったからだろうなと思いました。
それから学年が上がって、日能研でのクラスも上がり、選択肢に入ってきたいくつかの中学校の説明会や文化祭に行きましたが、B校はずっと進学先の候補として残り続け、最終的に併願校のうちの一つになりました。
算数が苦手なラズくんは、B校の少し癖のある算数の入試問題にも全力で向き合い(本命校とは傾向がまるで違いました)、晴れて合格をいただくに至ります。
こうしてみると、まるでとても思い入れのある併願校のようですが、きっかけとなったのは、受験案内の「携帯電話持ち込みOKのマーク」。
よく見たら、このマークがついている学校は多いものの、(許可制)(担任が預かる)などもあったので、そこはラズくんのことだから「(電源off)だけなら、まァいいかな」ということろまで見ていたのだと思います(笑) 。
きっと、ラズくんの想像の中では「許可制」もハードルが高く感じたのでしょう。
大人からすると「こんなにいろんな情報が載っている冊子なのに、しょーもないことに着目しているな〜😩」なんてガッカリしてしまうかもしれませんが、
狭い狭い興味の中でしか生きてこなかったラズくん、なんの判断材料も無かったら、きっかけなんてこんなものなのかもしれないなと思います。それよりも、
ラズくんなりの入り方と尺度で、たまたま一つの学校を選び取ることができた。
そのプロセスを経たことが「我が家の受験」に良い作用を与えてくれたのだと思っています。
この「声の教育社の中学受験案内」には、制服カタログもカラーで載っているので、女の子のお子さんが興味を持つきっかけにも一役買いそうですね😊
5年生で説明会と文化祭、オープンキャンパスに参加し志望校が固まる
学校説明会や文化祭などに実際に行き始めたのは5年生の春からでした。その頃になると、夫やラズくんともどんな学校がいいか具体的に話すようになり、志望校に求める2つの条件が定まりました。
・大学付属ではない、付属であっても多くの生徒が外部受験する学校(夫の希望)
・男子校(ラズくんの希望)
この二つの条件の中から、更にラズくんの好きなコンピューター系の部活動があるか、または授業で力を入れている学校を私が調べ、説明会に参加するようにしました。
5年生の春からA4クラスにあがり、偏差値は50前半から後半を行き来していたラズくんでしたが、どんなに不調な時でも「B校」のR4偏差値はクリアしていたので、そのあたりの偏差値帯から、上限は無しで(といってもあまりにかけ離れた学校は見ていませんが)、ラズくんの好きな部活動があるかどうかをネットで調べていきました。
「まだ5年の春だし、説明をきくだけなら自由だよね」なんてママ友さんと名門校の説明会にも参加したり、楽しかった時期でした😊
4年から気になっていた割に、なかなかタイミングが合わなかったB校の説明会には、新6年の2月に参加することができ、それを最後にコロナ禍に入ってしまったので、主だった学校を5年のうちに見ておくことができて本当に良かった〜と思ったことも覚えています。
以前の記事にも触れた、通級で出会ったお子さんの進学先に始まり、5年生のうちに参加したのは7校の説明会と、東京私立男子中学校フェスタ、日能研 私学フェア 、そしてたまたま自宅の近くが会場となった合同説明会、全部で3回の合同説明会に参加しました。
また、日能研の公開模試で外部会場となった中学校でも、模試を受けている間に開いてくれた親向けの説明会も、2校ほどお話を聞きました。
このような説明会の中でラズくんも一緒に参加したのは、ゆくゆくは併願校となるB校の説明会と、3回の合同説明会のみです。
それとは別に、ラズくんは4校の文化祭と1校のオープンスクールに参加していて、そのなかから第一志望校(A校)と、もう一つの併願校(C校)を決めました。
どちらもラズくんの好きな部活がある学校で、私が事前に説明会に行ったことのある学校でした。

合同説明会などに足を運んでも、ラズくんは相変わらずいまいちピンときている様子がありませんでした。
早い段階でB校という、気になる学校に出会えたのは良かったのですが、偏差値で見ると既に合格圏内にある学校を、第一志望にしてしまっていいものかと、私は迷いも感じていました。
「こういう中学受験もアリなのかな? 」ですが夫は納得しなそう……。
そんな中で迎えた5年生の秋、夫と一緒に行ってもらったA校の文化祭から帰ってきたラズくんの口から「この学校なら行ってもいいかなあ……」という、なんとも曖昧かつ上からでしたが😅、感触の良い発言がありました。
その前の週にも別の中学校の文化祭に参加していましたが、こんな発言は出てきませんでした。
理由を訊いたら、部活の展示が面白かったのに加え、展示物や生徒さんの言葉から「ユーモア」を感じ、憧れのような感情を抱いたからだそうです。
「行ってもいい」なんて言えるような学校じゃないんだけどね〜(^_^;)と思わず返しながら、内心、「よっしゃー!」とガッツポーズをしたことも覚えています。
A校を目標にすれば、最後まで向上心を持って勉強に励み続けられるだろうと思った事、そして私自身も、説明会を通してA校には惚れ込んでいたからでした。
とはいえ、選択肢に入れるのも畏れ多く感じていたA校。
こんなすごい学校を目指してしまっても大丈夫なのだろうか?
不安はありましたが、ラズくんはちょうどこの5年の秋にMクラスに上がった所でもありました。
そこにきてやっと捉えたラズくんの動機です。ここは乗るしかないなと思いました。
高まる気持ちを抑えながら私は「A校が良いと思ったみたいだよ」と、夫にこっそり耳打ちしました。すると夫は「A校かぁぁ」と、悔しそうに天を仰いでため息をつきました。
実は夫は、自分の母校にラズくんを通わせたいと、ずっと目論んでいたのです。笑
(ラズくんに合わない校風だったので、ラズくんは嫌がっていました^^;)
その後も日能研に併願パターンを提出する際にさりげなく母校を捩じ込んできたり、勝手に1人で説明会に参加し過去問まで買ってきたり、アマゾンから赤本が届いたり(笑)夫の工作活動は続きましたが、最後までラズくんが靡くことはなく、少し可哀想でした^^;

( )内に書いた学校以外全てこの通りに出願しました。
さて、「この学校ならいいかも」と感じたA校の文化祭後、私が持っていた学校パンフレットや、説明会でいただいた資料などを見始めたラズくん。
学校独自の取り組みなど、私の知っていることを簡単に説明したところ、徐々に関心を持つようになり、いつの間にか「どうしても行きたい」と熱望する第一志望校になっていきました。
文化祭で「なんとなく」感じた好印象や淡い憧れから、「学校のシステムが良いと思ったから」と、自分なりに志望動機を言うようにもなりました。
きっかけは、「行ってもいいかも……」と、文化祭で感じたこと。
この「ラズくんがわずかに感情を動かし小さなきっかけを掴む」というプロセスを経るために、条件に当てはまる数々の中学校の説明会や文化祭へ、これまで足を運んできたのだなと振り返ってみて思いました。
最後になりましたが、併願校C校についてです。
この学校は適正偏差値だったこと、そして説明会で見聞きした学校の主義主張、設備や生徒さんの雰囲気や進路指導の流れ、全てに渡ってなんだかすごく「整っている」という印象でした(広報の方の説明が巧かったのかな?!)。
「そこそこ伸び伸びと過ごせそうな環境だけど面倒見もよく、不安を感じさせない」学校で、プレスクールに参加したラズくんも、同じように悪くない印象だったようでした。
我が家にとって、「ここでなければ」という特徴があったわけではなかったのですが、この学校に従っていけば、家族全員にとって「こんなつもりじゃなかった!」となる事態は避けられそうだな〜という学校でした。
ラズくんは最後まで、A校が残念だった場合、「B校はパラダイスだけど、大学受験とか考えるとC校の方が良いのかな〜(←これは夫の受け売りです)」と迷っていて、日能研の先生にもそう伝えていたようです。
夫は、「もしもB校とC校で選択することになるのなら、C校に行かせる以外にない」と言っていましたし、「B校しか受からないなんて状態にはしない」とも言っていました。
同時に、「そうは言っても本人が受けたいのだから、B校を受けさせないわけにはいかないだろう」とも言っていました。
まだ12歳だった息子には、「潰しのきく」方向へ進んで欲しかったようで、本人のいない所では「行かせるつもりがない」と言い放っていたB校でしたが、B校の入試問題の記述にも夫は真剣に向き合っていました。
しっかりと合格は取らせてあげたかったのでしょう。
きっと、ラズくんが行きたいと本気で訴えたら夫は許すのではないかな? と私は甘い考えでいましたが、そうは問屋が卸さないのも夫ですので、どうなっていたかわかりません(^^;)
なんとか事なきを得た受験結果に、ただ胸をなでおろすばかりですが、きっと、どんな状況でも、我が家なりに成るように成っていたのではないかな〜、なんて事も思います。
一丸となって中学受験を乗り越えた今、家族に対してそんな信頼感も持てるようになりました。
長くなってきてしまったので、ここで一旦区切らせていただこうと思います。
友人に、ページを短く切ってみてはどうかとアドバイスされたのもあり(どうだろう?!)
次回は続けて、前受け校と、ラズくんが拒絶した(笑)中学校についても書かせていただこうと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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